4月10日に続いて23日に石巻を再訪。前回は間仕切りプ
ロジェクトに触発されて同行、いくつかの避難所から様々な事情を
伺うことができたので、今回は間仕切りから派生した手芸や枕プロ
ジェクトを現地の方々に提案した。
間仕切りの布は柔らかく透けるオーガンジー。それに触れることで
被災者の方が気持ちをすこしでも静められるのでは、という思いか
ら枕の提供を思い立ち、さらには被災者の方がご自身の手で何かを
つくる機会を届けたいと、ものづくりの会を立ち上げようと考え
た。すでに編み物のワークショップを開催しているアートライター
の坂口千秋さんとアートコーディネーター福田幹さんとも震災後、
編み物ワークショップを避難所で開催できないか、と相談していた
こともあり、今回は福田さんも同行した。
まずは石巻の港が一望できる日和山公園に行ったが、復興の兆しが
見えない惨状と満開の桜でやるせない気持ちになる。ただ、商店街
に降りると主要な道路は片付けがすすみ、乗り上げていた船も撤去
されてはいた。長期戦であることだけは確か。
その後前回訪問した避難所に手芸やまくら作りの提案をし、5月4-6
日のワークショップ開催の感触を探った。避難所である体育館の照
明が暗いとか、昼間は外で活動するので人が集まらないかも、とい
う懸念もあったが、概ね好評だったのでワークショップ開催を決め
た。そして前回間仕切りを設置した避難所を訪れたところ、プライ
ベートとパブリックを半透過の布で仕切るこの間仕切りが大変有効
であることを感謝された。やはりオーガンジー2枚重の提案は
功を奏したようだ。他の避難所へも推薦してくれるとのことで、ま
だまだ可能性はありそう。
午後3時過ぎから石巻市内の、より小規模な避難所を訪ねるこ
とになり、旧北上川に沿って北上。最初は被害がないように見えた
山間部も相当被災していることが判明し愕然とした。山間部と思っ
た場所は、実は海沿いであるというリヤス式海岸の入り組んだ海岸
線に沿って、被害は延々と続いていた。石巻港と状況は違い、自衛
隊の方が多数活動をされていて、避難所はまだまだ整っていない様
子。ここには間仕切りが必要で手芸はそのあと、と体感。しかし避
難所で聞くと物資は足りているという。本当は何もかも足りていな
いはずなのに。東北の方々の我慢強さをまた感じた。
被災地の格差を知り、いろいろな段階での提案の可能性を感じるこ
とができた。今後間仕切りと、間仕切りから派生した手づくりまく
らの会/手づくり手芸の会(=間仕切り+(プラス)プロジェク
ト)で、現地の様々な事情に可能な限り対応していきたい。
(西山裕子)